ロレックスの種類と型番ガイド:歴史から学ぶ選び方
ロレックスの種類と型番ガイド:歴史から学ぶ選び方
腕時計ブランドとして類まれな知名度と人気を誇り、傑作と呼ばれるようなコレクションを多く輩出してきたスイスブランド、ロレックス。コレクションの完成度の高さと革命的な技術力も高く評価されており、腕時計を買うならまず押さえておきたいブランドです。
当記事ではそんなロレックスの種類と、各モデルの型番について解説いたします。その歴史や人気モデルの推移を理解しておくと、後悔しないモデル選びにも繋がりやすいでしょう。ぜひ最後までご一読ください。
目次
ロレックスの歴史とは
まずは、ロレックスというブランドが積み上げてきた歴史について、おさらいの意味も込めてご紹介いたします。年々、趣味の側面が強まっている腕時計において、歴史的背景の理解はその「ロマン」という魅力を高めるのに役立つはずです。ここでは、ロレックスの創業や技術革新、人気モデルにスポットを当てて解説いたします。
ロレックス創業の背景
ロレックスの始まりは1905年のこと。精度、耐久性に優れる実用時計の開発を目指し、ハンス・ウィルスドルフによって創業されました。当時は懐中時計が主流の時代でしたが、ハンスはすぐに腕時計の時代が来ることを予想しており、その開発に注力したと言われています。
腕時計が主流となった後は、その高い技術力による腕時計作りと、それを世界に知らしめるための優れたブランディングの展開に成功したことで、現代まで最高峰の実用時計ブランドであり続けています。
ロレックスの技術革新
ロレックスは、腕時計における革新的な技術を数多く生み出してきました。特に、3大発明と呼ばれる「オイスターケース」、「パーペチュアル」、「デイトジャスト」は有名でしょう。これらの技術は、ロレックスが時計製造におけるパイオニアであることを世界中に知らしめると同時に、腕時計業界のスタンダードを大きく高めました。
そしてロレックスは、革新技術に関する多くの特許を獲得することで、その実用時計ブランドとしての確固たる地位を確立するに至ったのです。
象徴的なモデルの誕生
ロレックスは技術力だけでなく、その完成度の高いコレクションの数々も世界中から評価されています。特に有名なのが、ダイバーズウォッチである「サブマリーナー」と、王様と呼ばれるクロノグラフモデル「コスモグラフ デイトナ」です。これらのスポーツウォッチはそれぞれ1953年と1963年に誕生し、その優れた防水性能や計測機能でそれぞれの分野の基準を押し上げました。
もちろんデイトジャストなどのスタンダードモデルについても、同じく高い評価を獲得しています。
ロレックスの主要モデルとその進化
ここでは、ロレックスの基幹コレクションについて、その特徴と進化の歴史について解説いたします。前述するサブマリーナーやデイトナはもちろんのこと、ロレックスの各コレクションはそれぞれ異なるコンセプトのもとに設計されています。そのコンセプトを押さえておくと、モデル選びの参考やロレックスの歴史の理解に役立つでしょう。
サブマリーナー:ダイバーズウォッチの標準
1950年代に登場した、ロレックスを代表するダイバーズウォッチであるサブマリーナー。高い防水性能や回転ベゼルを搭載したその本格派仕様は、実際の潜水を想定したものであり、後続のプロ向けダイバーズウォッチのお手本のような存在となりました。現在までにその防水ウォッチとしての性能は絶えず改良されており、防水性は当初の100m防水から300m防水までアップグレードされています。
まごうことなき、ロレックスの技術力と人気を象徴するコレクションのひとつです。
デイトナ:レーシングとの結びつき
要約:レース用時計として開発されたデイトナの特徴と、その人気が高まった背景を説明します。
コスモグラフ デイトナは、モータースポーツの計測用に開発されたクロノグラフウォッチです。ロレックスの王様とも呼ばれるほど高い人気を誇るスポーツモデルであり、その精度と耐久性は当時のプロフェッショナルたちにも認められるほどでした。
これまでに幾度とないアップデートが行われてきたデイトナですが、万人が知っての通り、その人気は衰えを知りません。現在でも中古市場で定価以上の価格で取引されている状態が続いています。
エクスプローラーI & II:冒険へのオマージュ
エクスプローラーIは、冒険家に向けて開発されたスポーツウォッチです。そのコンセプトは耐久性と視認性であり、過酷な環境でも正しい時間をすぐに確認できる点が、プロフェッショナルたちから高い評価を獲得してきました。また、その比較的手に入りやすい価格帯と、シンプルかつ洗練されたデザイン性も魅力であり、ロレックスのエントリーモデルとしても需要を獲得しています。なお、エクスプローラーⅡは特に洞窟探検家に向けた設計が行われています。
エアキング:航空の遺産
エアキングは、当初オイスターパーペチュアルのバリエーションとして誕生したモデルです。パイロットが実際に着用し、その実用性の高さが証明されたことで、現在ではパイロットウォッチの側面を持つモデルとなっています。
その魅力は、シンプルながらユニークなデザインが生み出す視認性と、実用に足る耐久性。航空の歴史に敬意を表するエアキングはもはやバリエーションモデルではなく、プロフェッショナルモデルとして確固たる地位を確立しているのです。
デイトジャスト:時代を超えるクラシック
デイトジャストは、1945年に発表されたロレックスを象徴的するモデルの一つです。正式名前はオイスターパーペチュアルデイトジャストであり、3大発明を全て備えたアイコニックモデルとして誕生しました。そのドレッシー、カジュアルに振り切らないデザイン性も高く評価されており、タイムレスな魅力と実用性にあふれたコレクションとして人気を維持し続けています。
なお、デイトジャストとは、日付が瞬時に切り替わる機能であり、これも後の時計業界に大きな影響を与えました。
オイスターパーペチュアル:純粋な完璧さ
オイスターパーペチュアルは、ロレックスの最もスタンダードなモデルと言っても良いでしょう。デイトジャストの廉価版に当たるモデルであり、シンプルでありながら、ロレックスの代表的な技術が凝縮されています。もちろん防水性や耐久性、精度といった基本は押さえられており、日常使いからフォーマルな場面まで幅広く活躍するコレクションです。多彩なバリエーションも用意されているため、エントリーモデルとしても高く評価されています。
シードゥエラー:深海の探索者
シードゥエラーは、サブマリーナーから大きく防水性能を高めた、深海での作業を想定して設計されたプロフェッショナルダイバーズウォッチです。その防水性能は1220mが基本となっており、他にも飽和潜水に不可欠なヘリウム排出バルブを備えるなど、潜水に特化した性能が備わっています。
機能性とトレードオフで非常に大きいケースを備えており、その機能性も日常で発揮されることはほとんどありませんが、オーバースペックという点では無類の魅力を備えたモデルと言えるでしょう。
GMTマスターII – 二つの時間帯を一望
GMTマスターIIは、その名の通り、デュアルタイムを表示できるGMT機能を搭載したモデルです。パイロットウォッチとしての側面も備えており、その高い視認性、耐久性を特徴とするスポーツモデルとなっています。
またGMTマスターは、そのベゼルのツートンカラーをもとにしたペットネームが付けられていることでも有名です。赤と青を組み合わせた「ペプシ」など、ユニークな名前が付けられている点もGMTマスターの魅力に数えられるでしょう。
ヨットマスター:海と共にあるために
ヨットマスターのデザインと機能性、ヨット競技との結びつきを解説します。
ヨットマスターは、その名の通りヨットプレイヤーに向けて制作されたスポーツモデルです。サブマリーナーほどの防水性能はありませんが、ラグジュアリー感が強調されており、リゾートシーンにマッチするエレガンスを備えています。
ロレックスは1950年代よりヨットスポーツをサポートしており、その歴史を象徴するモデルとも呼べるでしょう。なお、上位機であるヨットマスターIIではより計測機能が追加され、より実践的な仕様が採られました。
スカイドゥエラー:世界を旅する人のために
さまざまな国を飛び回る人に向けて開発されたスカイドゥエラーは、ワールドタイム機能とアニュアルカレンダー機能を搭載したコンプリケーションモデルです。簡単な操作でタイムゾーンの変更が可能であり、一年に一回しか日付調整を必要としないため、まさに旅人のための実用時計と呼べるでしょう。
デザイン面ではエレガントかつシンプルなスタイルを採用しており、そこに詰め込まれた複雑機構からはロレックスの卓越した時計製造技術が感じられます。
ロレックスの型番とは?
これまで登場してきたロレックスのコレクションには、それぞれに型番が設定されています。シリアルナンバーは腕時計一本一本に固有のものが付けられるのに対し、リファレンスナンバーとも呼ばれる型番はシリーズに共通するものが使われます。ここではこの型番に隠された意味や、簡単な読み取り方について解説いたします。
型番に隠された意味
ロレックスの型番は、その時計の多くの情報が暗号のように含まれています。モデルのシリーズ、製造年、素材、ベゼルタイプといった、時計の特徴が示されているため、法則を理解しておくことで、モデルの詳細な特徴や製造年が読み取れるでしょう。
例えば、型番の先頭の数字はモデルを指し、続く数字はベゼルやケース素材、最後につくアルファベットはダイヤやベゼルカラーなどの装飾について示しています。覚えておいて損はないでしょう。
特別、限定エディションの場合
ロレックスでは、地域限定モデルやコラボモデルなど、特別エディションのモデルを発売することがあります。これらのモデルは通常のコレクションと異なる特別なデザインや機能を備えており、型番にもその違いが反映されていることがあります。
つまり、普段見慣れない数字やアルファベットで構成される型番は、特別なモデルのものだとも考えられるでしょう。しかしながら、一概にそうだとは言えないため注意が必要です。
ロレックスを選ぶ際のポイント
いざロレックスを購入するとなると、魅力的なモデルが多く、迷ってしまう方も少なくないはずです。実際、ロレックスの魅力は多岐に渡るため、後悔しないモデル選びのためには自分のニーズをしっかりと理解する必要があるでしょう。ここでは、ロレックスの魅力をさまざまな側面から解説いたします。
日常使いから特別な場面まで
ロレックスは実用時計の最高峰とも言えるブランドです。その耐久性、性能はもちろんのこと、デザイン性も洗練されているため、日常使いから特別な場面まで幅広い活躍が期待できます。
またロレックスでは、ドレスウォッチからカジュアルなスポーツモデルまで様々なモデルがリリースされているため、TPOに合わせたモデル選びができると尚良いでしょう。使用シーンに応じた選び方をすることで、ロレックスはあなたの日常に寄り添う最高の相棒となってくれるはずです。
投資としてのロレックス
今や世界的な知名度を誇るロレックスは、単なる時間を刻む道具以上の価値を持っており、中古市場では定価以上の価格で取引されることも珍しくありません。つまり、ロレックスは投資対象ともなり得るのです。
購入の際にこの側面を重視するのであれば、市場の需要やコレクション性、他モデルとの違いなどを考慮に入れる必要があるでしょう。なお、再販価格は常に変動しているため、売却を考えている際はこまめな相場の確認が重要となってきます。
ロレックスの人気モデルの型番解説
ロレックスの定番コレクションはそれぞれに長い歴史があり、各コレクションには様々な型番のモデルが登場しています。
ここでは、定番コレクションにおける人気モデルの型番と、その特徴について解説いたします。比較的新しいモデルを中心にピックアップしましたので、ぜひモデル選びの参考にしてみてください。
サブマリーナー Ref.126610LN(ブラックダイアル)
サブマリーナーのデイト搭載モデルのうち、最もスタンダードなモデルです。ダイアル、ベゼルにブラックカラーを採用しており、ケースはオイスタースチール製。精悍なスポーツウォッチとしての一面が強調されています。ベゼルに採用されているのはロレックス独自のセラミック系素材である「セラクロム」で、過酷な潜水に耐えうる耐傷性と耐食性を備えています。
サブマリーナーの中でも定番中の定番モデルであり、ダイバーズウォッチを買うならまずお勧めしたいモデルと言えるでしょう。
エクスプローラーI Ref.124270(ブラック)
ロレックスのエントリーモデルとして名高いエクスプローラーIの現行モデルです。コンパクトな36mm径ケースを備えたモデルであり、性別問わずに使える腕時計として高い人気を誇ります。また、視認性を重視したそのデザインは無駄がなく、ブラックダイアルも相まって、あらゆるシーンで着用できるモデルと言えるでしょう。
なお、2023年にはサイズバリエーションに当たるRef.224770も登場しています。この型式は40mm径ケースを採用しているため、Ref.124270が小さく感じる人はこちらを選ぶと良いでしょう。
GMTマスターII Ref.126710BLNR(青/黒ベゼル)
ベゼルのツートーンカラーから、さまざまなペットネームが付けられているGMTマスターII。その中でもRef.126710BLNRは、青と黒を組み合わせた「バットマン」と呼ばれるモデルです。その他の人気カラーである赤青のペプシや緑黒のスプライトと比べると、比較的クールな印象の本作。視認性に優れたスポーティなデザインながら、その40mm径というスタンダードなサイズ感は便利に感じるでしょう。
なおブレスレットには、スタンダードなオイスターと、多連でしなやかなジュビリーの2種が用意されます。
デイトナ Ref.116500LN(ブラックダイアル)
ロレックスの王様、コスモグラフ デイトナのブラックダイアルモデルです。2023年のモデルチェンジによって生産終了となったモデルですが、現在でも高い支持を得ています。このRef.116500LNからデイトナのベゼルにも独自のセラミック素材「セラクロム」が使用されるようになり、その高級感のある質感がデイトナの魅力を高めました。
色を反転させたホワイトダイアルのバリエーションモデルも登場していますが、いずれの色も、現在に至るまでプレミア価格で取引され続けています。
シードゥエラー Ref.126600(ブラックダイアル)
驚異的な防水性能を誇るシードゥエラーより、オイスタースチールモデルRef.126600をピックアップしました。
前述のサブマリーナーRef.126610LNと同じくブラックダイアル、セラクロムベゼルを採用したモデルですが、こちらはより重厚な印象。直径43mmの存在感のあるケースはプロフェッショナルウォッチのロマンがこれでもかと詰め込まれています。
なお、現行のシードゥエラーは、本作とイエローロレゾールのRef.126603のみがラインナップされています。
ロレックスの新旧モデルの比較
それぞれのコレクションで多くの型番があるのは、その数だけアップデートやバリエーション展開が繰り返されてきたことに他なりません。ここでは人気モデルを中心に、その新モデル、旧モデルの特徴比較をまとめました。旧モデルは新モデルより安く手に入る場合もありますので、どの程度のアップデートが行われているか、購入前に押さえておくことをお勧めいたします。
サブマリーナーRef.116610LNとRef.126610LN
サブマリーナーは2020年にRef.116610LNからRef.126610LNに代替わりし、アップデートが行われました。まず、ケースサイズは40mm径から41mm径に変更され、少し大きくなりました。その他、細かなデザインの変更も行われていますが、機能面では大きな変更が見られます。特にベゼルの素材がアルミからセラミックに変更された点と、ムーブメントが刷新され、パワーリザーブが約70時間に延長されたのは大きな改良と言えるでしょう。
GMTマスターII Ref.116710BLNR(”バットマン”)とRef.126710BLNR(ジュビリーブレスレット)
GMTマスターIIの青黒モデル「バットマン」は、2019年にRef.116710BLNRからRef.126710BLNRにアップデートされました。最も大きな変更は、ジュビリーブレスレットの採用でしょう。これまでの3連(オイスター)から多連タイプのジュビリーに変更されたことで、よりラグジュアリーな印象となめらかな着用感が与えられました。また、ムーブメントもCal.3186からCal.3285に変更されており、パワーリザーブが約70時間に延長されています。
デイトジャスト Ref.116234とRef.126234
2019年に、デイトジャストはRef.116234からRef.126234へ刷新。アップデートが施されました。ムーブメントが当時の最新機であったCal.3235に変更されたことで、主にパワーリザーブを中心にスペックが向上しています。
そして、バックルも堅牢なオイスタークラスプに変更され、合わせて、細部の仕上げも変更されて、比較的シャープな印象に。そして、新たなダイアルバリエーションが追加されたことで、よりモデル選びの幅が広がりました。
エクスプローラーI Ref.214270とRef.124270
エクスプローラーI は2021年に刷新され、Ref.214270からRef.124270へと刷新。最も大きな変更は39mm径から36mm径へのダウンサイジングでしょう。これは2世代前のモデルRef.114270と同じサイズであり、サイズ変更に伴い、文字盤デザインもコンパクトにまとめられた印象があります。
なお、復刻された各種ディテールに対して、ムーブメントは最新のCal.3235に変更されており、信頼性の向上及びパワーリザーブの延長が行われています。
デイトナ Ref.116520とRef.116500LN
Ref.116520からRef.116500LNへの刷新では、ベゼルの素材がステンレスからブラックセラミックに変更されたのが大きいでしょう。合わせて、インダイアル周りにも黒い縁取りが追加されており、よりコントラストが際立つ顔立ちとなりました。もちろん、その他夜光などにも変更が見られ、細部までブラッシュアップが施されているのがわかります。この変更は、黒文字盤モデルに偏っていたこれまでの人気をひっくり返すほどの大きなアップデートとなりました。
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まとめ
当記事では、ロレックスのコレクションについて、その種類とそれぞれの魅力を解説いたしました。多角的な魅力を備えるロレックスですが、細分化してその魅力を理解することで、自分に合ったコレクション選びがしやすくなるでしょう。
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